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スポーツ庁の部活ガイドラインについて 全教談話 [部活問題]

【全教談話】


スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の発表にあたって


2018年3月30日
全日本教職員組合(全教) 
書記長 小畑 雅子


 スポーツ庁は、3月19日「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(以下、「ガイドライン」)を発表しました。


 「ガイドライン」が、運動部活動の実態や私たちの要求を反映し、
「適切な休養日等の設定」として「週当たり2日以上の休養日」
「土曜日及び日曜日の少なくとも1日以上を休養日」や、
1日の活動時間の基準を示し、
「定期試験前後の一定期間等・・の部活動の休養日」を例示したことは、
子どもたちへの過度な負担や教職員の長時間労働を解消する上で一定の指標を示すものです。
今後、各学校の教職員での民主的集団的議論を経て実態に応じた具体化が求められます。


 また、「適切な指導の実施」として、
生徒の心身の健康管理、
事故防止及び体罰・ハラスメントの根絶や、
スポーツ医・科学の見地から適切な休養をとること、
生徒とのコミュニケーションを十分にはかること
などを示していることは必要な指摘です。
心身の過度な負担予防や科学的練習方法の導入など、
医療分野・競技分野等の専門家による科学的知見を導入することが求められます。


 さらに、大会等の開催について、
過度な負担とならないよう統廃合や
「参加する大会等の上限の目安等」を定めること、
中央競技団体に「指導の手引」作成等を求めたことは、
過度な活動を抑制する上で必要なとりくみです。
今後、全国中学校体育大会の見直しや全国的な競技大会・対外試合の見直しを行うことが求められます。


 一方、「ガイドライン」は、「運動部活動の方針の策定等」として、
顧問に、年間の活動計画及び毎月の活動計画及び活動実績を策定し
校長に提出することを求めていますが、
教職員のさらなる負担増や、自主的な活動の抑制につながる危険性があります。
必要なことは、顧問まかせにせず、
生徒の声を聞き、職場での民主的集団的議論によって学校全体の体制づくりを行うことです。


 また、「ガイドライン」は、「地域との連携等」として、
「学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ環境整備をすすめる」としています。
しかし、現在、学校と教職員がスポーツクラブまで関わり、
その肩代わりをしている学校・地域では、
教職員にとって過度な負担となる例も見受けられます。
地域のスポーツクラブや自治体のとりくみは、
学校の部活動と連携をとりつつも、
それぞれの活動の位置づけをしっかり区別すべきです。
また、地域のとりくみにおいても、体罰や過度な練習などが行われることがないようにすることが求められます。


 全教は、「ガイドライン」策定にあたって、
スポーツ庁の意見照会を受け
11月10日「長時間過密勤務を解消し、子どもの成長・発達を保障する運動部活動にするための提言」等の意見を表明しました。
また、11月20日「教職員の長時間過密労働の抜本的な解決を求める全教の提言」を発出し
「行政が実効あるガイドラインを示し、教職員と子ども双方の心身の健康を守る手立て」等を求めてきました。
その立場から、運動部活動を、
子どもたちのスポーツ要求に根差し人間的成長・発達を保障するものとし、
教職員の長時間過密労働を解消するためには、
さらに検討すべき課題が多く残されていると考えます。
全教は、子どもたちの文化・スポーツに対する要求に応え、
すべての子どもの成長・発達を保障する観点から、
そのあり方について、父母・保護者、地域住民、関係機関との議論を深め、合意づくりを広げていく決意です。
  
                                     以上
スポーツ庁HP
  http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/013_index/toushin/1402678.htm

18.3.30教育会館前桜と堀①.JPG


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憲法 前文 政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないよう [憲法・九条]

憲法
18.3.28国会議員会館前・抗議集会・森友証人喚問①.JPG

前 文


日本国民は、


正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、


われらとわれらの子孫のために、


諸国民との協和による成果と、


わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、


政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、


ここに主権が国民に存することを宣言し、


この憲法を確定する。


そもそも国政は、


国民の厳粛な信託によるものてあつて、


その権威は国民に由来し、


その権力は国民の代表者がこれを行使し、


その福利は国民がこれを享受する。


これは人類普遍の原理であり、


この憲法は、


かかる原理に基くものである。


われらは、


これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。


日本国民は、


恒久の平和を念願し、


人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、


平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、


われらの安全と生存を保持しようと決意した。


われらは、


平和を維持し、


専制と隷従、圧迫と偏狭を


地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、


名誉ある地位を占めたいと思ふ。


われらは、


全世界の国民が、


ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、


平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


われらは、


いづれの国家も、


自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、


政治道徳の法則は、


普遍的なものであり、


この法則に従ふことは、


自国の主権を維持し、


他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。


日本国民は、


国家の名誉にかけ、


全力をあげて


この崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


18.3.27駿府城公園・夜桜②.JPG

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全教が 文科省と交渉  春闘 [全教の活動]

2018年3月14日に、


【全教が文科省と交渉】


抜本的な定数増、少人数学級の実施、教育政策の見直しで、
教職員の長時間過密労働の解消を


      ~文科省と2018春闘要求交渉~


 全教は3月14日(水)、文部科学省と「全教2018年春闘要求書」にもとづく交渉を行いました。全教から中央執行委員長、書記長をはじめ9人が参加し、文科省からは初中教育局財務課長、財務課専門職、財務課給与企画係長、財務課高校修学支援室企画係、大臣官房国際課調査主任、高校教育局学生留学課法規係長が参加しました。
交渉の冒頭、全教委員長から、教職員の長時間過密労働の解消について
「抜本的な定数増と小1から高3までの少人数学級の実施、学校現場に押し付けられている様々な施策の見直しを抜きにして根本的な解決はない」と、文科省としての責任ある施策の実現を求めました。
 さらに、「現状は労働基準法や給特法などに反して違法状態。労働時間の管理をはじめとする法規制を厳格に順守する立場を文科行政に求める」とした上で、「勤務条件を整備する義務は雇用者である都道府県や政令市などとともに、国にも課せられている」とし、法に基づいて教職員定数、学級編制、教職員の給与等に責任ある施策を求めました。
 さらに、「教職員の勤務条件に関わる検討をすすめるにあたっては、そのメンバーに当事者である教職員組合を加えるべきである」と強く求めました。


交渉は4つの重点要求にそってやりとりがおこなわれました。


教員の業務負担の軽減を図ることは急務


 教職員の長時間過密労働の解消に向け、小中高すべてで35人学級の実現、教員一人当たりの持ち授業時数の設定が可能となる抜本的な定数改善など実効あるとりくみを求めるという要求に対し、文科省は「昨年4月に公表した勤務実態調査で、教員の長時間勤務については看過できないことが明らかになった。教員の業務負担の軽減を図ることは急務である。新しい学習指導要領の円滑な実施と教員の働き方改革の両立という観点から施策を考えている」と回答しました。
 これに対し全教は、「文科省は、1958年の義務標準法制定当時、一人の教員が授業に充てる時間は勤務時間の半分程度で、残りの半分は授業準備や校務に充てるという計算で定数配置を決めたと国会答弁しているが、当時の積算根拠が崩れている。持ち時間数の上限を設定し、それに合わせて教職員定数を抜本的に改善してほしい」と発言しました。
 また「高校の標準法改正について、きわめて及び腰というのが近年の文科省の姿勢だと指摘せざるを得ない。標準法そのものを見直して、法的な裏付けをもって何とか高校の教職員定数を増やすことが必要」と述べました。
 文科省は「教職員定数の改善については引き続きしっかりととりくんでいきたいと思っている。高校については、高校教育のあり方の議論をする中でとらえ直していく必要があると考えている」と答えました。


給特法の改正で時間外勤務手当支給を求める


 給特法の改正、教職調整額の維持、労働基準法37条と整合性を持つ時間外勤務手当の制度をつくるという全教の要求に対し、文科省は「昨年末に出された中教審中間まとめでは、給特法の在り方を含む教員の働き方については引き続き議論を進めていく必要があるとなっている。まさにこれから検討していくということ」と回答しました。
 これに対し、全教は「給特法も労基法も、その基本は超過勤務を命じないことを原則としており、コンプライアンスを口にされる政府や文科省の姿勢が鋭く問われていることを指摘せざるをえない。給特法の改正で、臨時または緊急の場合の限定4項目を含めた時間外勤務については時間外勤務手当を支給できるようにすることを求める」と強く要求しました。
 文科省は、「子どもたちに質の高い教育を確保するという観点からして看過できない状況であり定数の改善にもとりくんでいく」と答えました。
 全教は「当然様々な観点から対策をとっていくことは重要だが、勤務時間の中では終わらないような仕事があるのは事実であり、だからこそ看過できない状況になっている」と述べました。


『教育に穴があく』問題、今すぐ解消を


 また、定数内の臨時教員は置かず、代替者配置の遅れ、未配置を即時解消するとともに、臨時教職員の賃金・労働条件を改善するという要求に対して、文科省は「教員の任用については任命権者である都道府県、政令市教育委員会の権限と責任において行うもの。教育の機会均等や教育水準の維持・向上といった観点から非正規教員の配置によってあまりにも支障が生じる場合には、正規雇用教員の配置が望ましいと国会などでも答弁している」と回答しました。
 この回答に対し、全教は、「『教育に穴があく』問題は、子どもたちの学習権を保障する点でも、その学校で働く教職員の精神的・肉体的負担を増加させるという点でも、今すぐ解消しなければならない」「臨時教職員に関わって、『同一労働同一賃金』『均等待遇』を教育労働の現場でも実現するよう強く求める」と、全国の深刻な実態を踏まえた、文科省の責任ある対応を求めました。


 また、全教は、「昨年末の交渉で『正規職員の採用計画や代替職員の配置計画について、会議等できちんとやるように指導を強めたい』と回答したが、どのように指導したのか。また、全国の実態把握をしているのか、する予定はないのか」と文科省の姿勢を質しました。 
 これに対し文科省は、「常日頃教育委員会と接触し、また担当者を集めた会議でも子どもたちの指導に支障がないようにという話を伝えている。基本的には都道府県教育委員会の責任で行うべき問題であり、現段階で全国的な調査を行う考えはない」との回答にとどまりました。


家庭の経済的な事情に左右されない教育保障は大変重要


 国際人権規約留保撤回を踏まえた、中等・高等教育段階の「無償教育の漸進的導入」をすすめる計画を策定し、国連から求められている「無償教育の具体的行動計画」を教職員組合などの意見を反映させたものとするという要求に対し、文科省は「条約締結国の義務として中等・高等教育無償前進のための計画をつくれということが求められているわけではなく、現段階でそういう計画を作ることは考えていない。しかし、家庭の経済的な事情に左右されることなく希望する質の高い教育を受けることができることは大変重要。昨年12月に閣議決定された経済政策パッケージにおいても、高等教育の無償化、授業料免除、給付型奨学金拡大、年収950万円以下世帯の私立高校授業料の実質無償化など、消費税の税率をあげることを前提に2020年度に向けて実施していくことが示されている」と答えました。
 全教は「所得による制限があることで、生徒を選別せざるを得ない実態がある。すべての子どもたちに経済状況に左右されず学ぶことを保障する制度を確立すべき」「5月末までに国連社会権規約委員会から『無償教育の具体的行動計画』提出が求められている中で、教育の当事者である教職員団体との協議は政策判断において必須条件だ」と述べました。


 最後に、全教書記長が「教員免許更新制については、公務員の定年制延長の話も出てきている中では、65歳の問題なども出てきている。それも含めて、別の機会に話し合いを持ちたい」と、継続した交渉を要請し終了しました。


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全教談話  第3期教育振興基本計画(答申)について [教育政策・教育「改革」]

【全教談話】
第3期教育振興基本計画(答申)について


  ~国やグローバル企業が求める「人材」づくり政策でなく、
父母・保護者、教職員の願い踏まえた教育条件整備計画の策定を~


2018年3月14日
全日本教職員組合(全教)
書記長 小畑 雅子


1、中央教育審議会(以下、中教審)は、3月8日、「第3期教育振興基本計画について」(答申)(以下、「答申」)を決定し、文部科学大臣に提出しました。


 全教は、教育振興基本計画そのものが時の政府による教育介入をすすめる意図をもって改悪教育基本法第17条に位置付けられたものであることから、第1期教育振興基本計画策定時から反対の立場を明確にしてきました。また、「第3期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過について」(以下「審議経過」)に関して公聴会に参加し、第3期計画策定にあたってもその立場を表明した上で、計画の策定を行うならば、
①政府は教育に対し介入しないことを原則とすべきであること、
②ゆきとどいた教育をすすめるため、子どもと学校の実態をふまえた教育条件整備に限定すること、の2点を求める意見表明を行いました。


2、国は教育の内容に対し介入しないことが原則です。その観点から「答申」は重大な問題点を持っています。
(1)「答申」は、「第4次産業革命」「超スマート社会」等の到来を予想し、「2030年以降の社会像の展望を踏まえた個人と社会の目指すべき姿と教育の役割」として、「新たな価値を創造する人材の育成」などを示しています。子どもの貧困・格差の問題や自己肯定感が低いことなどを指摘しながらも、全体として国や一部グローバル企業が求める「人材」づくりの観点から教育をすすめるものとなっています。改訂学習指導要領により、国が定めた「育成すべき資質・能力」や「愛国心」を押しつけるなど、国と財界への奉仕者を育成することをめざす教育をすすめることにつながるものです。教育のあり方は、子どもや地域・学校の実態を深くリアルにとらえ、そこから検討されるべきです。


(2)「答申」は、平成30年度から5年間における「目標の進捗状況を把握するための測定指標及び参考指標」(以下、「指標」)を示しています。国が「指標」を示すことは、国家や一部グローバル企業の求める「人材」づくりをすすめる政策誘導のための道具と言わざるを得ません。


○ 「指標」について、「その数値の達成が自己目的化され、本来の目指すべき状況とのかい離や望
 まざる結果を招かないよう、十分に留意することが必要」としています。しかし、結果として各地方自治体や各学校では「指標」が自己目的化し、一人歩きしています。例えば「全国学テ」は、その県別平均正答率の各県順位が示され、「県の教育目標に『全国○○位をめざす』などを入れる」「3月から過去問題のドリル指導がくりかえされている」などの実態が全国に蔓延しています。福井県議会において「日本一であり続けることが目的化し、本来の公教育のあるべき姿が見失われてきたのではないか検証する必要がある」などとした「教育行政の根本的見直しを求める意見書」が可決されるなど、その矛盾がひろがっています。「エビデンス(客観的な根拠)ベース」による「指標」の設定と、それを基にしたPDCAサイクルをまわすことにより、いっそう教育の歪みにつながる危険性があります。


  福井県議会2017年12月意見書
http://gikai.pref.fukui.jp/common/giketsu/myweb.exe/result%7C3%7Cguest05%7C%7C9352%7C0%7C0%7C223


○ 「自分にはよいところがあると思う児童生徒の割合の改善」「進路について将来の仕事に関する
 ことを意識する高校生の割合」等の「指標」は内面や意識に関わるもので、機械的に数値化し測定できるものでなく、国が子どもたちの心の中まで踏み込み、管理することにつながるといわざるを得ません。また、「地域において子育ての悩みや不安を相談できる人がいる保護者の割合の改善」「家の人と学校での出来事について話をしている児童・生徒の割合の改善」等の「指標」は、国が地域・家庭のあり方に特定の価値観を「指標」として持ち込み、押しつけるものです。


○ 日本の教育制度は国連子どもの権利委員会から「過度に競争的」であると再三勧告されてきました。しかし、「答申」は、現状を改善するどころか「これまでの取組の成果」に「我が国が引き続き世界トップレベルであること」をあげ、「指標」に「各種国際調査を通じて世界トップレベルを維持」をあげています。「全国学テ」等による競争の教育が、子どもたちの生活と学びの個別化・分断化をすすめ、排他的な競争意識や自他への不信感を拡大していることについての分析や反省もなく、さらに競争主義的な「指標」を掲げることは大きな問題です。


3.国がおこなうべきは、子どもや父母・保護者、教職員の願いにこたえ、すべての子どもたちの成長を保障する教育条件を整備することです。


○ 「答申」は、「審議経過」に「Ⅴ 今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点」を追記し、「教育投資の在り方」を示しました。教育投資に関する公財政支出総額についてOECD諸国との対比データを示し、第2期と同様に「OECD諸国など諸外国における公財政支出など教育投資の状況を参考とし、真に必要な教育投資を確保していくことが必要」としています。ただちにOECD諸国平均並みの公財政支出を行うことを示すべきです。


○ 「答申」は教育の無償化について「政策パッケージを着実に実施」としています。しかし安倍首相が総選挙で公約した「高等教育無償化」「私立高校実質無償化」などは「2兆円パッケージ」に入れられ、消費税増税を予定する2019年度以降に先送りされ、「看板倒れ」となりました。父母・保護者、子どもたちの切実な願いである、教育の各段階での無償化や教育費の負担軽減について、すべての子どもたちを対象に継続的に推進することが重要です。教育の無償化を、国の責任において推進することを明確に示すべきです。


○ 「答申」は「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導体制の整備等」をかかげています。しかし、そこで教職員定数改善や35人以下学級の実施について触れていないことは、多くの父母・保護者、国民の切実な願いに背を向ける重大な問題です。


○ 教職員の長時間過密労働の解消は、「看過できない」課題であるにもかかわらず、「答申」では、「指標」に「1週間当たりの学内総勤務時間の短縮」等を示し、「指導・事務体制の効果的な強化・充実、専門スタッフとの連携・分担体制構築等を通じて、教師が本来行うべき教育に関する業務に集中できる持続可能な学校指導体制を整備」とするのみで根本的な改善の方向を示していません。競争主義的な教育政策を改め、教職員定数改善を直ちに行い、教職員の長時間過密労働解消を行うことが求められます。


○ 地方教育行政においても、子どもや学校・地域の実態を踏まえ、すべての子どもたちの成長を保障する教育条件を自主的に整備することが求められます。しかし、「答申」は「国全体の目標も参考にしつつ、各地域や教育実践の現場において、それぞれの実情も踏まえながら各関係者が自主的に設定することが期待される」として、各地方自治体や学校現場に「指標」策定を押しつけています。


4.今、日本の教育に求められるのは、競争主義的な教育政策を改め、国の責任による35人以下学級の実施、教職員定数の抜本的改善、給付制奨学金制度の拡充、権利としての教育の無償化、障害児学校学校設置基準の策定などの教育条件整備です。全教は、すべての子どもたちの成長を保障するゆきとどいた教育をすすめる立場から、「答申」を抜本的に見直し、国家や一部グローバル企業が求める「人材」づくりをすすめる政策を転換し、父母・保護者、教職員の願いを踏まえた教育条件整備計画の策定を求めるものです。


                              以上

日曜日夕方6時 県庁と桜
18.3.25日曜日夕方6時の県庁と桜.JPG 


火曜日 夜 草深橋の袂の赤いシャクナゲ←で、いいよね。
18.3.27しゃくなげ.JPG



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不当な教育介入に断固抗議! [教育の自主性を!]

【全教談話】


文部科学省による学校と地方教育委員会への不当な教育介入に断固抗議する!


2018年3月20日
全日本教職員組合(全教)
書記長 小畑 雅子


1.文部科学省が、2 月に名古屋市立中学校で文部科学省前事務次官の前川喜平氏が授業の一環として講演したことについて、名古屋市教育委員会を通じ、学校長に対し、講演内容等の確認や録音データの提出を求め、不当な圧力をかけていたことが明らかとなりました。全教は、文科省による、憲法の精神に反する教育への不当な介入に、断固抗議するものです。


2.文科省が個別の学校の授業内容について調査することは極めて異例です。文科省は 2 回のメールで計26 項目にわたり、講師に招いた目的、謝礼額、参加人数、保護者や生徒の反応などについて「具体的かつ詳細にご教示ください」などと執拗に問い詰めています。さらに、講演の録音データの提供を要求するとともに、「どのような方がどの程度参加されたか」などと参加者の情報まで求めています。
 また、名古屋市教委に対しても「前川氏の講演による授業をどのように判断しているか、お考えをご教示ください」などと圧力をかけています。今回の文科省の行為は「調査」などではなく、明らかに、教育への不当な介入であり、学校と地方教育委員会に対する恫喝ともとれるものです。


3.教育基本法には、戦前の国家主義的な教育への反省から「教育は、不当な支配に服することなく」行われるものであることが明記されています。最高裁も「教育内容に対する・・国家的介入はできるだけ抑制的であること」(旭川学テ判決)としています。しかし、林文科大臣は、「法令にのっとった行為。一般的にあること」などと開き直り、正当化しようとしています。授業の内容など教育課程の編成権は各学校にあり、本来文科省は、不当な介入から学校を守るべき立場です。その文科省が各学校の授業の内容に介入し圧力をかけるなど、憲法と教育基本法が禁じている国家権力による教育内容への不当な支配そのものであり、許されるものではありません。このような文科省による学校や地方教育委員会への介入がまかり通るなら、子どもたちの実態をふまえた創意ある多様で豊かな教育活動が阻害されることとなり、国による教育統制につながります。


4.また、文科省のメールでは、「出会い系バーの店を利用」「こうした背景がある同氏」などと前川氏への人格攻撃ともいえる内容も含めて、講演依頼に対し「どのような判断で依頼されたのか」などと回答を求めています。安倍政権に批判的な人物の言動をチェックし、圧力をかけるものと言えます。
 今回の文科省の行為の背景には、自民党の国会議員からの働きかけがあったことが報道されています。
 意見の異なる者を排除する安倍政権の異常な体質が表れていると言わざるを得ません。


5.全教は、文科省に対し、過ちを認め謝罪し、政治家からの働きかけやその影響なども含め真相を明らかにするとともに、地方教育委員会や学校への教育施策の押しつけや不当な介入を行わないことを強く求めます。


                            以上
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