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市議会で請願趣旨説明をしました。 [教育全国署名]

今日、静岡市議会市民環境教育委員会で、先日署名とともに提出した「子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」の趣旨説明をしました。
与えられた時間はたった5分。仕方がないので、新型コロナによる一斉休校や行事の中止等で子どもたちの心が例年になく傷ついていること、それを救い、子どもたちの希望を守るためには教職員の増員、少人数学級の実現、大規模校の解消が必要であることに絞って発言しました。
以下、発言内容です。
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 おはようございます。市内葵区在住の★★★といいます。中学校教員をしています。本日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
 今年、私たち教職員は、初めての体験をしました。それは、年度末から年度始めという、1年で最も大切な時期の、長期にわたる臨時休校です。
 約2ヶ月の休校による授業の遅れは、ようやく解消されつつありますが、超特急で進む授業、増えた宿題などで、多くの子どもが疲れや焦りを感じ、学習面での不安を感じています。
 人生の大きな節目、晴れの舞台でもある卒業式や入学式は、保護者も、在校生も参加できない、とてもさびしいものになりました。楽しみにしていた運動会や修学旅行、合唱発表会なども、中止になりました。心を豊かにし、社会性を育てる行事がなくなったことで、子どもたちは、例年以上に友だち関係での不安、悩みを抱えています。
 このような経験をして、私はやはり今年も、教職員を増やしてください、少人数学級をさらに進めてください、そして学校の規模を小さくしてください、ということをお願いしたいと思います。
 今、子どもたちに必要なのは、口には出せない不安や苛立ちを感じ取り、寄り添ってくれる大人の存在です。学校で子どもたちの最も身近な大人は、教員です。しかし、今の教員には、子どもたちとゆっくり過ごす時間がありません。新型コロナ禍の中でそれはますます酷くなりました。
 文科省は、教員の負担軽減のために、スクールサポートスタッフの配置予算を手当てしました。静岡県はすでに全校配置ができていますが、静岡市はまだ、38校にとどまっています。また、子どもたちの心のケアに携わるスクールカウンセラーは、市全体でたったの38人。週に1日か2日しか来てもらえないので、本当に深刻な場合しかカウンセリングを受けることができません。さらに、コロナ禍の中で必要性がますます高まっているスクールソーシャルワーカーですが、こちらもたったの14人です。これでは必要なところに必要な支援が行き届きません。
 臨時休校中に、一部の学校で分散登校が行われました。クラスを半分に分けて、午前と午後、あるいは曜日を変えて登校させ、授業を行いました。その間、一時的に20人学級が実現しました。多くの教員から、「一人一人に目が行き届き、授業がやりやすかった。」、子どもからも、「わかりやすかった。いっぱい発表できた。」、という声が聞かれました。別室登校の子どもが、教室に入れるようになった、という話も聞きました。
 (パネルを見せて)学校の中の3密を避けるためには、35人学級でもまだ多すぎます。教室の標準サイズは、縦8メートル横7メートル、です。その面積に、ソーシャルディスタンスを確保して机と椅子を並べたら、20人分しか入りません。
 さらに密になるのは水道やトイレです。「休み時間には手洗いとうがいをしましょう。」と言いますが、多くの学校で水道・トイレは2~3クラスに1カ所。中には5クラスに1カ所という学校もあります。たった10分の休み時間に、全員がうがいをしに行ったらどうなるか、想像してみてください。
 それに対して、私が勤務する★★中学校は全校生徒45人、3学年とも20人以下です。職員や保護者、子どもからも、「全然密じゃないし、休校なんて必要なかったよね。」、という声がたくさん聞かれます。トイレや水道が密になることも、ありません。新型コロナは、小規模校の優位性を如実に証明したと言っていいと思います。
 今、静岡市では、小規模校の統廃合を進めようとする動きがあります。せっかく20人以下学級が実現しているのに、学校を統合して30人以上の学級にしたり、せっかく空き教室のある中学校の校舎に、小学校を移転させるなど、これからの社会情勢に逆行していると思います。
 私はむしろ、今必要なのは、大規模校の解消だと思います。
 全校生徒が体育館に入ると、すし詰め状態になる中学校。運動会で、グランドに保護者が入りきらない小学校。そんな学校では、これからもずっと、盛大な行事はできないでしょう。子どもたちに、よくわかる授業はもちろん、楽しい行事、安心して過ごせる場所を保障するためには、少人数学級の実現、大規模校の解消が必要です。
 国が重い腰を上げるのを待つのではなく、この静岡市が、全国に先駆けて、思い切った一歩を踏み出していただくことをお願いします。以上です。ありがとうございました。
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趣旨説明の後、請願項目に対する教育委員会からの説明(釈明?)がありましたが、請願者にも教育委員会にも議員からの質問は1つもなし。たいした議論もなくあっさりと全員一致で不採択となってしまいました。
ただ、各会派から一言ずつ意見が出された中で、いくつかの会派から「請願項目はどれも大切。」「不採択ではあるが、教育委員会はこの請願をしっかりと受け止めて施策に活かしてほしい。」といった発言があったのは、せめてもの収穫だったと言えるかもしれません。
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