SSブログ
全教の活動 ブログトップ
前の10件 | -

「給特法」改悪案の強行採決に断固抗議します! [全教の活動]

12月4日の参議院本会議で、公立学校教員に「1年単位の変形労働時間制」を導入するための「給特法」改正案が強行採決されました。
この暴挙に対する全日本教職員組合(全教)の声明を紹介します。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------

声明
全教は「給特法の一部を改正する法律案」の成立に断固抗議するとともに、 公立学校に「1 年単位の変形労働時間制」導入を許さないたたかいに全力をあげます

 本日、第 200 臨時国会参議院本会議において公立学校の教員を「1 年単位の変形労働時間制」で働 かせることを可能とする法律案が可決されました。 1 日 8 時間労働という大原則を壊す労働法制の大 改悪、憲法違反の法案であり、かつ教職員の長時間過密労働を固定化し助長する恐れがある法案が衆 参合わせて 30 時間にも満たない不十分な審議で採決されたことに断固抗議します。
 多くの教職員は、もう体が持たないかもしれないという不安を抱えながら、現状を何とかしてほし いという切実な願いをもって今日も子どもたちの前に立っています。今回の「給特法の一部改正」は その願いにこたえるものではないばかりか、「過労死促進法」ともいうべきものです。
 国会審議を通じて、「1 年単位の変形労働時間制」は萩生田文科大臣自身が認めたように平日の時 間外労働を縮減する効果はまったくなく、むしろ個々の教職員に、意に沿わない長時間労働を押しつ け、人間らしい働き方をさせないものであることがはっきりしました。所定の勤務時間を延ばすこと により、時間外勤務を見かけ上減少させることで長時間過密労働が改善されたかのように見せるま やかしに過ぎません。
 萩生田文科大臣は、「1 年単位の変形労働時間制」導入の目的を夏休み等に 5 日間程度の休みのま とめどりをするためと答弁していますが、この制度を導入しなくてもまとめどりはできることも国 会審議で明らかになりました。また、萩生田文科大臣は「超過勤務月 45 時間、年 360 時間」という 「上限ガイドラインが守られていることが制度導入の大前提」と答弁しましたが、「月 45 時間」に 収めるための具体的な施策を何ら示していません。そもそも「月 45 時間」もの恒常的な超過勤務が ある状況では「1 年単位の変形労働時間制」導入の余地はなく、1 日 7 時間 45 分の勤務時間内で毎 日の業務ができるような条件を整えることこそ政府・文科省など教育行政の務めです。
 労働基準法が定める制度導入の最低基準である労使協定を結ぶのではなく、地方自治体の条例で 導入できるとしていることは労働基準法の改悪にほかならず、到底許されるものではありません。
 一方、野党議員の追及により政府・文科省が条例制定の段階で各学校の意向をふまえると答弁した こと、そして、条例を策定しないこともありうると認めたことは今後のとりくみの足掛かりとなるも のです。また、「給特法」そのものの矛盾も白日の下にさらされ、その抜本的改正の必要性はだれの 目にも明らかになっています。
 全教は学校における長時間過密労働解消のためには教育予算を増やし、教職員定数を抜本的に改 善することこそが必要であり、「1 年単位の変形労働時間制」を導入することに断固反対の立場で運 動を重ねてきました。各組織でも法案の問題点を広く知らせるためのとりくみが進み、法案反対の連 帯は大きく広がり、9 月半ばからとりくんだ請願署名は 9 万筆を超えました。繰り返し行った国会議 員への要請は、立憲野党の各議員が明確に法案反対の立場で質疑・討論し、法案の矛盾や問題点を 次々と明らかにすることにつながりました。
  「1 年単位の変形労働時間制」導入を許さないたたかいはこれからです。全教は職場・地域におけ る対話・学習を重ね、条例を制定させず学校現場に導入させないとりくみに全力をあげるとともに、 給特法の抜本的改正を求めるとりくみをすすめます。「せんせい ふやそう」の圧倒的な世論を構築し て、長時間過密労働を解消し、ゆきとどいた教育を実現するために教育政策の転換と教育予算増の実 現をめざす決意を表明するものです。

2019 年 12 月 4 日 全日本教職員組合中央執行委員会
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

キャンペーンに賛同を! [全教の活動]

文科省がいくら「働き方改革」を叫んだって、教職員の人数を大幅に増やさなければ根本的な解決はできません。「やってるふり」をさせないためには、「教職員を増やせ!」の声をもっともっと大きく広げていく必要があります。
全日本教職員組合(全教)が、ネット上で「せんせいをふやそうキャンペーン」を始めました。
こちらをご覧ください。→http://chng.it/YNMhpMsJcN
賛同いただける方は、お近くの方にも宣伝していただけたらと思います。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

みなさん、無事でしたか? [全教の活動]

maintitle.png
http://www.s-koukyouso.jp/?page_id=16#kyou03
台風21号が日本列島を通過中です。
みなさんのお家では被害はありませんでしたか?
全教共済加入(総合共済や火災共済など)の方で、被害に遭われた方はすぐに全教共済しずおか(℡054-254-6900)にご連絡ください。「風で自転車が倒れて壁に傷がついた」「雨漏りして家電製品が壊れた」など、ちょっとした損害でも補償や見舞金の対象になる可能性があります。まずは電話1本。ご相談ください。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

全教が 文科省と交渉  春闘 [全教の活動]

2018年3月14日に、


【全教が文科省と交渉】


抜本的な定数増、少人数学級の実施、教育政策の見直しで、
教職員の長時間過密労働の解消を


      ~文科省と2018春闘要求交渉~


 全教は3月14日(水)、文部科学省と「全教2018年春闘要求書」にもとづく交渉を行いました。全教から中央執行委員長、書記長をはじめ9人が参加し、文科省からは初中教育局財務課長、財務課専門職、財務課給与企画係長、財務課高校修学支援室企画係、大臣官房国際課調査主任、高校教育局学生留学課法規係長が参加しました。
交渉の冒頭、全教委員長から、教職員の長時間過密労働の解消について
「抜本的な定数増と小1から高3までの少人数学級の実施、学校現場に押し付けられている様々な施策の見直しを抜きにして根本的な解決はない」と、文科省としての責任ある施策の実現を求めました。
 さらに、「現状は労働基準法や給特法などに反して違法状態。労働時間の管理をはじめとする法規制を厳格に順守する立場を文科行政に求める」とした上で、「勤務条件を整備する義務は雇用者である都道府県や政令市などとともに、国にも課せられている」とし、法に基づいて教職員定数、学級編制、教職員の給与等に責任ある施策を求めました。
 さらに、「教職員の勤務条件に関わる検討をすすめるにあたっては、そのメンバーに当事者である教職員組合を加えるべきである」と強く求めました。


交渉は4つの重点要求にそってやりとりがおこなわれました。


教員の業務負担の軽減を図ることは急務


 教職員の長時間過密労働の解消に向け、小中高すべてで35人学級の実現、教員一人当たりの持ち授業時数の設定が可能となる抜本的な定数改善など実効あるとりくみを求めるという要求に対し、文科省は「昨年4月に公表した勤務実態調査で、教員の長時間勤務については看過できないことが明らかになった。教員の業務負担の軽減を図ることは急務である。新しい学習指導要領の円滑な実施と教員の働き方改革の両立という観点から施策を考えている」と回答しました。
 これに対し全教は、「文科省は、1958年の義務標準法制定当時、一人の教員が授業に充てる時間は勤務時間の半分程度で、残りの半分は授業準備や校務に充てるという計算で定数配置を決めたと国会答弁しているが、当時の積算根拠が崩れている。持ち時間数の上限を設定し、それに合わせて教職員定数を抜本的に改善してほしい」と発言しました。
 また「高校の標準法改正について、きわめて及び腰というのが近年の文科省の姿勢だと指摘せざるを得ない。標準法そのものを見直して、法的な裏付けをもって何とか高校の教職員定数を増やすことが必要」と述べました。
 文科省は「教職員定数の改善については引き続きしっかりととりくんでいきたいと思っている。高校については、高校教育のあり方の議論をする中でとらえ直していく必要があると考えている」と答えました。


給特法の改正で時間外勤務手当支給を求める


 給特法の改正、教職調整額の維持、労働基準法37条と整合性を持つ時間外勤務手当の制度をつくるという全教の要求に対し、文科省は「昨年末に出された中教審中間まとめでは、給特法の在り方を含む教員の働き方については引き続き議論を進めていく必要があるとなっている。まさにこれから検討していくということ」と回答しました。
 これに対し、全教は「給特法も労基法も、その基本は超過勤務を命じないことを原則としており、コンプライアンスを口にされる政府や文科省の姿勢が鋭く問われていることを指摘せざるをえない。給特法の改正で、臨時または緊急の場合の限定4項目を含めた時間外勤務については時間外勤務手当を支給できるようにすることを求める」と強く要求しました。
 文科省は、「子どもたちに質の高い教育を確保するという観点からして看過できない状況であり定数の改善にもとりくんでいく」と答えました。
 全教は「当然様々な観点から対策をとっていくことは重要だが、勤務時間の中では終わらないような仕事があるのは事実であり、だからこそ看過できない状況になっている」と述べました。


『教育に穴があく』問題、今すぐ解消を


 また、定数内の臨時教員は置かず、代替者配置の遅れ、未配置を即時解消するとともに、臨時教職員の賃金・労働条件を改善するという要求に対して、文科省は「教員の任用については任命権者である都道府県、政令市教育委員会の権限と責任において行うもの。教育の機会均等や教育水準の維持・向上といった観点から非正規教員の配置によってあまりにも支障が生じる場合には、正規雇用教員の配置が望ましいと国会などでも答弁している」と回答しました。
 この回答に対し、全教は、「『教育に穴があく』問題は、子どもたちの学習権を保障する点でも、その学校で働く教職員の精神的・肉体的負担を増加させるという点でも、今すぐ解消しなければならない」「臨時教職員に関わって、『同一労働同一賃金』『均等待遇』を教育労働の現場でも実現するよう強く求める」と、全国の深刻な実態を踏まえた、文科省の責任ある対応を求めました。


 また、全教は、「昨年末の交渉で『正規職員の採用計画や代替職員の配置計画について、会議等できちんとやるように指導を強めたい』と回答したが、どのように指導したのか。また、全国の実態把握をしているのか、する予定はないのか」と文科省の姿勢を質しました。 
 これに対し文科省は、「常日頃教育委員会と接触し、また担当者を集めた会議でも子どもたちの指導に支障がないようにという話を伝えている。基本的には都道府県教育委員会の責任で行うべき問題であり、現段階で全国的な調査を行う考えはない」との回答にとどまりました。


家庭の経済的な事情に左右されない教育保障は大変重要


 国際人権規約留保撤回を踏まえた、中等・高等教育段階の「無償教育の漸進的導入」をすすめる計画を策定し、国連から求められている「無償教育の具体的行動計画」を教職員組合などの意見を反映させたものとするという要求に対し、文科省は「条約締結国の義務として中等・高等教育無償前進のための計画をつくれということが求められているわけではなく、現段階でそういう計画を作ることは考えていない。しかし、家庭の経済的な事情に左右されることなく希望する質の高い教育を受けることができることは大変重要。昨年12月に閣議決定された経済政策パッケージにおいても、高等教育の無償化、授業料免除、給付型奨学金拡大、年収950万円以下世帯の私立高校授業料の実質無償化など、消費税の税率をあげることを前提に2020年度に向けて実施していくことが示されている」と答えました。
 全教は「所得による制限があることで、生徒を選別せざるを得ない実態がある。すべての子どもたちに経済状況に左右されず学ぶことを保障する制度を確立すべき」「5月末までに国連社会権規約委員会から『無償教育の具体的行動計画』提出が求められている中で、教育の当事者である教職員団体との協議は政策判断において必須条件だ」と述べました。


 最後に、全教書記長が「教員免許更新制については、公務員の定年制延長の話も出てきている中では、65歳の問題なども出てきている。それも含めて、別の機会に話し合いを持ちたい」と、継続した交渉を要請し終了しました。


18.3.25一加番の桜.JPG


nice!(0)  コメント(0) 

18政府予算案閣議決定に [全教の活動]

【全教談話】
・ こちらの都合で、記事が遅くなりました。ごめんなさい。

「戦争する国」および「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりのための予算から、


憲法と子どもの権利条約にもとづいた、


ゆきとどいた教育をすすめる予算への抜本的な転換を


〜2018年度政府予算案の閣議決定にあたって〜


2018年1月17日
全日本教職員組合(全教)
書記長 小畑 雅子


1、大型開発で大企業に奉仕し、アメリカとともに「戦争する国」づくりをすすめる予算案
 

 2017年12月22日、政府は6年連続で過去最大となる総額97兆7128億円(前年度当初比0.3%、2581億円増)の2018年度予算案を閣議決定し、17年度一般会計補正予算案とともに通常国会に提出します。大企業優先で庶民の暮らしに冷たい「アベノミクス」を継続し貧困と格差をいっそう拡大するとともに、安倍9条改憲の動きに合わせた大軍拡路線をひた走る予算となっています。


 「平成30年度予算のポイント」の「人づくり革命」では、「保育の受け皿拡大」「保育士処遇改善」「幼児教育無償化」「給付型奨学金の拡充」を掲げています。安倍首相が総選挙で公約した「高等教育無償化」「私立高校実質無償化」などは「2兆円パッケージ」に入れられ、消費税増税を予定する2019年度以降に先送りされ、「看板倒れであることが明らかになりました。さらに、「生産性革命」では、「持続的な賃金上昇とデフレからの脱却につなげるため」としながら、Society5.0を推進する大企業への予算措置や、賃上げや投資、研究開発などをおこなう企業に最大80%の法人税減税を可能とする税制など、予算面でも税制面でも「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりのための大企業優遇であることは明らかです。


 また、軍事費は6年連続増額の5兆1911億円(同1.3%、660億円増)で過去最高額となりました。「イージス・アショア」やオスプレイ、ステルス戦闘機、無人偵察機等の導入で軍備増強にひた走っています。さらに、日本が初めて「敵基地攻撃能力」を保有するための長距離巡航ミサイル関連経費など、絶対に容認できない予算案となっています。その上、弾道ミサイル攻撃への対応や「スパイ衛星」開発などに補正予算2345億円を計上し、アメリカとともに「戦争する国」づくりをいっそうすすめるものとなっています。


 国民の生活に密着した医療・介護・年金は改悪し、教育・農林水産・中小企業等の予算も軒並みマイナス予算となっています。その結果、国の一般歳出に占める文教予算の比率は、2012年度7.93%だったものが、第二次安倍政権の発足以降毎年減り続け、18年度には6.87%となってしまいます。


2、ゆきとどいた教育をもとめる父母・保護者、国民の声に背を向ける予算案


 文部科学省予算は5兆3093億円(同0.01%、4億円減)、主要経費のうち文教関係費は4兆405億円(同0.06%、23億円減)と、ともに前年度当初予算を下回っています。35人以下学級推進や教職員定数改善には背を向け、グローバルな競争社会を勝ち抜く一部のエリート人材育成のために公教育を総動員し、子どもたちを競争に駆り立て、管理・統制する安倍「教育再生」をいっそう押し付ける教育予算案となっています。


(1)国の責任としての35人学級前進を放棄する教職員定数改善


 教職員定数については、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革と称して、小学校英語の専科指導教員1000人、中学校のいじめ・不登校等への対応に50人、共同学校事務体制強化に40人、通級による指導や日本語指導などに対応するための基礎定数化に385人、学力課題解消や「チーム学校」整備、統合校・小規模校支援などに120人、合計1595人の定数改善をすすめるとしています。しかし、少子化による自然減3000人、統廃合の進展による定数減1050人、少子化等による加配定数減406人で、合計4456人の定数減をおこない、差し引き2861人の大幅な教職員定数削減がねらわれています。


 喫緊の課題である教職員の長時間過密労働解消には定数増が欠かせないことは中教審等でも議論されています。文科省概算要求でも一定の定数増が求められました。しかし、このように大きな「純減」が示されたことは到底容認できるものではありません。また、国の責任による35人学級の前進、高校や障害児学級・学校の教職員定数改善等については一切触れず、国民の願いに背を向けるものとなっています。特に、2018年度に本格実施される「高校の通級指導」の定数配置について予算が計上されていないことは重大な問題です。


(2)財界の求める「グローバル人材」育成に、小学校から大学まで公教育を総動員する教育予算


① 新学習指導要領で学校現場を縛りあげる徹底的なとりくみや、改訂をふまえた教育課程を押しつける予算37億9400万円が計上されています。「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」「PDCAサイクル構築」など、幼稚園から高校まで、一貫して安倍「教育再生」徹底がねらわれています。また、特別支援学校改訂学習指導要領を押しつける予算も1億400万円計上されています。



② 小・中・高校を通じた英語教育強化事業8億3700万円を含め「初等中等教育段階におけるグローバルな視点に立って活躍する人材の育成」に201億9200万円が計上されています。特に、「日本人としてのアイデンティティ」や「我が国の伝統・文化」が強調されている点や、民間事業者の「活用」拡大によって公教育の責任を果たそうとしない国の姿勢など、見過ごすことのできない大きな問題があります。


③ 競争主義に拍車をかけ、正常な学校教育に支障を来している全国一斉学力テストについては、国語、算数・数学、理科の悉皆調査に加え、中学校英語の予備調査をおこない、2019年度に実施するための準備等で52億円が計上されています。英語の導入によって学校現場の混乱や生徒への影響がいっそう大きくなることが懸念され、全国一斉学力テストの中止など抜本的な見直しがもとめられます。


④ 小学校で開始される「特別の教科 道徳」の教科書無償給与、評価や推進体制等研究会実施や「地域の特色を生かした道徳教育」、「親子道徳の日」などに35億2400万円が計上されています。家庭や地域まで総動員し、これまで以上の押し付けが強まる危険性が増大しています。安倍9条改憲を許さないとりくみと合わせて、国による道徳心の強要や愛国心の強制を許さないとりくみが求められます。


⑤ 「グローバル人材」育成の要でもある「高大接続改革」については、「大学入学共通テスト」の記述問題作問・採点検証等のためのプレテスト、「高校生のための学びの基礎診断」施行調査等に57億9100万円が計上されています。「共通テスト」では英語で民間検定を「活用」し、「基礎診断」では民間事業者に「測定ツール」開発・提供から、評価や教員研修、教育課程づくりにまで関与させるなど、教員の専門性を無視し教育産業に丸投げするものとなっています。拙速な「高大接続改革」ではなく、すべての高校生の学び・成長を保障する高校教育・高大接続・大学教育とするため、国民的な議論と合意形成を図ることが必要です。


(3)権利としての教育無償化を実現する教育予算へ


① 「高校生等への修学支援」については、高等学校等就学支援金等に3708億3500万円、高校生等奨学給付金については給付額増額で132億7900万円が計上されています。貧困と格差が広がる中、低所得世帯への支援が拡充される点は一定評価するものです。一方、「高校無償化」3年目の見直しについて協力者会議がおこなわれていますが、所得制限撤廃に関する積極的な議論が見られないのは大きな問題です。権利として、すべての高校生等が「高校無償化」となるよう強く求めるものです。


② 大学等奨学金事業については、2018年度から本格実施となる給付型奨学金について給付人員2万2800人分、無利子奨学金希望者全員への貸与など、1160億9600万円の予算が計上されています。給付型について、本格実施の予算が計上されたことは前進ですが、人数・支給額ともに決して十分なものではありません。必要とするすべての高校生・青年に給付制奨学金が実現されるよういっそうの拡充がもとめられます。


③ 私立高等学校等経常費助成費等補助については、幼児児童生徒の単価増額や特色あるとりくみ支援などで1033億6400万円が計上されました。また、私立学校施設・設備の整備の推進は、耐震化等の促進や教育・研究装置等の整備に102億4100万円が計上されました。保護者・生徒・教職員の願いである公私間の学費等経済的格差の是正、安定的な経営を支える公的助成など、公教育として国が私学を支える予算を拡充することが重要です。


(4) 安倍「教育再生」をすすめる「働き方改革」「チーム学校」ではなく、教職員がいきいきと働ける学校と教育を


① 「チーム学校」「働き方改革」の柱である専門スタッフや外部人材の導入については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員に60億5300万円、学力向上を目的とした支援や学習プリント印刷・準備、授業準備・採点業務補助等をおこなう「スタッフ」導入に42億7200万円、公立中学校部活動指導員4500人配置に5億400万円、特別支援教育専門家等配置に13億4000万円が計上されています。 また、「学校現場における業務の適正化」として、教員の業務の明確化や時間管理の徹底、「業務改善アドバイザー」派遣、および、都道府県単位での「統合型校務支援システム」導入など、さらに、給食費の徴収・管理を学校から自治体に移行する予算が計上されました。これら一連の予算配分の中には、これまでの私たちのとりくみの到達であるということができるものもありますが、「教職員の業務負担軽減」を名目に学校そのもののあり方を大きく変質させる危険性をもつものでもあり、警戒が必要です。安倍「教育再生」に特化した「業務改善」はますます教職員と子どもたちを苦しめるものとなります。


② 「教員の資質能力の向上」として、教員の養成・採用・研修及び教員免許管理などの予算が計上され、とりわけ、教員免許状情報を適正に管理できる教員免許状管理の在り方・システム調査研究が新規に予算計上されるなど、教員の管理統制を強めるものとなっています。


③ 地教行法が一部改正され、すべての公立学校に学校運営協議会設置の努力義務が課されたとして、「学校運営協議会の設置・拡充に向けた調査研究事業」についても予算計上され、その拡大がねらわれています。


3、憲法と子どもの権利条約にもとづき、学ぶ喜びと希望を育む教育予算への転換を


 2012年9月、日本政府は長年留保していた国際人権規約A規約13条2項(b)(c)を批准しました。この結果、政府は2018年5月末までに、「給付奨学金導入」や「高校の入学金と教科書の無償措置」、「学校納付金等の無償措置」などの「無償教育の具体的行動計画」を国連に報告することが義務付けられています。そのため、国は無償教育を漸進的にすすめるとした国際公約を守り、教育予算を大幅に増やし、国民生活最優先の予算へと抜本的に組みかえることがもとめられています。
 

 全教は、アメリカとともに「戦争する国」づくりのための軍拡予算や財界の求める「グローバル人材育成」のための予算を大幅に削減し、国の責任による35人以下学級の前進、給付制奨学金の抜本的拡充、公私ともに学費の無償化をすすめる、子どもが安心して学べる教育予算への抜本的な転換を求め、教育全国署名運動や自治体要請・懇談等を軸に、父母・地域住民と力を合わせて奮闘する決意です。

                                       以上

nice!(1)  コメント(0) 

8月8日人事院勧告出る 全教が声明 [全教の活動]

【全教声明】
2017年人事院勧告について
       2017年8月8日
       全日本教職員組合(全教) 中央執行委員会
1. 人事院は本日、一般国家公務員の給与等に関する勧告と報告を内閣総理大臣と両院議長に対し
て行いました。その構成は「職員の給与に関す報告」および「勧告」、「公務員人事管理に関する
報告」からなっています。


2. 人事院は今年4月における官民較差について、国家公務員給与が民間給与を「平均631円、0.15%」下回っているとしています。そして、民間賃金調査結果にもとづき、行政職給料表(一)を改定して初任給を含めて30歳程度までの号俸では1,000円引き上げるとともに、その他については400円を基本としたベースアップ、一時金については0.1月引き上げ4.4月としたうえで、引き上げ分をすべて勤勉手当に充当するとしました。再任用職員の賃金もこれに準じた改定を行うことなどを勧告しました。


  2015年度からの「給与制度の総合的見直し」にあたり昇給を1号抑制したことに対し、2018年4月1日に37歳に満たない職員を対象に1号上位の号俸とするとしました。


  「給与制度の総合的見直し」における配分見直しの一つの柱であった係員および係長にかかる本府省業務調整手当を2017年4月に遡って係員は現在の3.5%相当額から600円、係長は現在の5.5%相当額から900円引き上げるとともに、2018年度からは係員は4%相当額に、係長は6%相当額に引き上げるとしました。


  55歳を超える行政職給料表(一)6級相当以上に行っていた1.5%の減額支給措置は2017年度末で廃止するとしました。


3. 本年の人事院勧告における給与の引き上げ額は、昨年を下回る超低額であり、一時金の引き上げを含めても公務労働者の生活改善には程遠く、積極的な評価をすることはできません。一方、人事院が月例給および一時金を4年連続で引き上げる勧告を行ったことは、この間の春闘における官民共同のとりくみの前進、すべての労働者の大幅賃上げで貧困と格差を解消し日本経済の回復を求めてとりくんできたわたしたちのたたかいを反映した側面を持っていることも事実です。安倍政権の退陣を求めるとともに共謀罪法案に反対するたたかいや森友・加計問題での政治の私物化、強引な国会運営などによる安倍政権への批判と不信感の高まり、都議会議員選挙における自民党の惨敗など政治的力関係を変化させてきた国民のたたかいも反映しています。


  同時に、国家公務員の内部に格差と分断を拡大する内容も盛り込まれています。一つは、本府省業務調整手当の引き上げを現給保障にともなう原資を使って行ったことに象徴される「霞が関」と地方の国家公務員間の格差拡大です。昨年に続いて2年目となる措置です。二つは、一時金の引き上げがこの間すべて勤勉手当に充てられていることに見られる成果主義賃金の拡大・強化です。


  また、わたしたちが一貫して強く公務職場における臨時・非常勤職員の待遇改善を求めてきたことを反映し、人事院は臨時・非常勤職員の待遇改善に触れています。しかし、その内容は「慶弔に係る休暇等について、検討を進めていく」等としており、安倍政権の「働き方改革」に追随する消極的な言及にとどまっています。人事院が労働基本権制約の代償機関としての役割を果たしているとは到底言えない内容です。


4. 「公務員人事管理に関す報告」では、「公務における働き方改革の意義と必要性」が強調され、「人材の確保及び育成」、「長時間労働の是正」「仕事の家庭の両立支援」「非常勤職員の勤務環境の整備」「高齢層職員の能力及び経験の活用」などの項目が挙げられています。それらの項目に関わる指摘は、少子高齢化と労働力人口の減少への対応策です。不妊治療への支援や非常勤職員の慶弔休暇等の検討なども含まれていますが、公務労働者の賃金改善や働く権利の保障、長時間労働を抜本的に解消するための定数増などの視点は欠落しています。


  2018年3月末の定年退職者から年金支給開始年齢が満63歳に引き上げられます。人事院は再任用希望者の増加とフルタイム希望に反して短時間勤務となっている職員が多いことなどの現状を認め、「定年の引上げに向けた検討を鋭意進める」としています。政府が「経済財政運営と改革の基本方針2017」で「公務員の定年の引上げについて、具体的な検討をすすめる」としたことを受けたものです。報告では、「戦力としてその能力及び経験を本格的に活用する」としたうえで、「能力・実績にもとづく人事管理の徹底」など成果主義の観点が貫かれていることが特徴です。全教は、2011年に人事院が「意見の申出」を行った「定年年齢の段階的延長」の実現のために、総人件費抑制の枠にとらわれることなく、定年延長に必要な措置を人事院が政府に求めることを改めて要求します。


5. 全教は憲法闘争や「共謀罪法」廃止を求めるたたかいを柱に「すべての労働者の賃上げで景気回復と地域経済の復活を」をかかげ、全国一律最低賃金制の確立と今すぐ、どこでも最低賃金1,000円以上への引き上げ、労働法制の大改悪反対などの課題を結合して夏季闘争をたたかいました。具体的には、17春闘におけるストライキや統一行動への支援、また最低賃金闘争においても、公務員賃金との関連を明確にして官民共同のとりくみをすすめました。さらに、公務労組連絡会・全労連公務部会が提起する人事院に向けた公務労働者の賃金改善署名では全教・教組共闘連絡会は5万3、083筆(公務労組連絡会全体では14万720筆)を集約しました。7月21日に行われた夏季闘争における最大規模の中央行動では、「共謀罪」廃止の課題や「えがお署名」提出行動と一体的に全国から約300名の参加で成功させました。


6. 教職員給与を含め地方確定闘争では、教職員をはじめすべての公務労働者の生活改善につながる賃金引き上げ、すべての世代における賃金底上げ、臨時教職員の待遇改善を基本要求にかかげ、要求の前進をかちとることが重要な課題となります。また2018年3月末で「給与制度の総合的見直し」における現給保障の廃止を人事院が明確にしたもとで、現給保障の廃止による大幅な賃金ダウンを生じさせない措置を当局に迫る課題も重要です。全教は、子どもたちの教育に教職員が力を合わせて、生活の不安なしに専念できる教職員の待遇改善を文科省と地方教育委員会に引き続き求めるものです。同時に、憲法改悪と一体の安倍「教育再生」反対、憲法9条改憲を許さないたたかいと結合し、労働基本権の確立、教職員の長時間過密労働の解消、地域格差拡大反対、成績主義賃金の拡大を許さないたたかいに引き続き全力をあげる決意です。


                   以上

すでに、静岡市教職員組合は、静岡市人事委員会(政令市権限移譲によって、県から政令市へ)に対して、学校現場について知ってほしい、多忙な状況を理解してほしい、臨時非常勤の方が1割から2割もいて同じように働いているなど、生々しい状況を伝えながら、賃金・労働条件の改善、臨時非常勤教職員の待遇改善などを要請してきました。
 政令市静岡、浜松の人事委員会勧告は、昨年は9月末でした。


 全教静岡は、8月末に県人事委員会へ要求書を出し、9月に要請行動を行います。
 県人事委員会勧告は、最近は10月中旬です。


 これを読んでおられるみなさんの要求をお寄せください。


全教静岡でも、8月末に

nice!(0)  コメント(0) 

憲法の精神に反する教育勅語肯定 [全教の活動]

【全教談話】


憲法の精神に反する教育勅語を肯定する答弁書の撤回と稲田防衛大臣の即時辞任を求めます


2017年3月14日
全日本教職員組合
書記長小畑雅子


 安倍内閣は、3月7日、民進党の逢坂議員の質問主意書への答弁書において、教育勅語を教育に活用することは「個別具体的な状況に即して判断されるべきもの」として、その活用を否定しませんでした。さらに、稲田朋美防衛大臣は、3月8日、参議院予算委員会で教育勅語について「『日本が道義国家を目指すべきだ』という精神は取り戻すべきだ」(毎日新聞2017年3月9日付)と答弁しました。


 教育勅語は、戦前、欽定憲法である大日本帝国憲法のもとで制定された教育に対する基本理念で、天皇主権にもとづくものでした。その主語を天皇とし、12の徳目の最後が「一旦緩急あれば、義勇公に奉じ、以って天壌無窮の皇運を扶翼すべし」と、天皇のために命を賭して戦うことを美徳として国民に求め、子どもたちを侵略戦争に駆り立てる精神的支柱としての役割を果たしました。


 戦後、戦前の軍国主義につながる制度が廃止される過程で、軍人勅諭などとともに主権在民に反する教育勅語を廃する決定が行われました。文部省は1946年10月、式日等における教育勅語の奉読をさしとめる次官通牒を発し、1948年には衆・参両議院で、排除・失効決議が行われました。衆議院の排除決議は、教育勅語の根本理念が「主権在君」や「神話的国体観」にもとづいていること、また、基本的人権を損ない、国際的な信頼を裏切るものであることを指摘しています。さらに、「その指導原理的性格を認めない」こと、政府が「直ちにこれらの謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである」とまで述べています。国権の最高機関である国会が両院で排除・失効決議を行い、憲法第98条を根拠に、政府に「回収、排除」まで求めたのです。このことは、憲法を最高法規とする法治国家として、主権在民を基本とし、議院内閣制をとる日本の政治体制の下では、内閣が率先してその責務を遂行しなければならないことを示しています。


 こうした点に照らせば、3月7日の閣議決定が、教育勅語が現憲法下においては「法制上の効力が喪失した」ことを認めながら、「個別、具体的な状況に即して判断されるべきもの」として、事実上、「幼稚園で教材として繰り返し暗唱させ」るなどの現状を追認するものとなっていることは断じて容認できません。また、憲法の理念に反する稲田防衛大臣の答弁は、到底許容されるものでなく、閣僚たる資格を喪失していることは疑いを得ないものです。


 全教は、3月7日の教育勅語にかかわる答弁書の撤回と稲田防衛大臣の即時辞任を強く求めるものです。同時に、「教え子を再び戦場に送らない」との戦後の教育の原点に立って、憲法と子どもの権利条約にもとづく教育政策の確立のために奮闘することを決意するものです。


                                     以上

nice!(0)  コメント(0) 

文科省の天下りあっせん問題について [全教の活動]

【全教談話】
文科省の天下りあっせん問題について
天下りの禁止、国や財界が求める人材づくりの教育政策からの抜本的転換を求めます
2017年2月28日
全日本教職員組合(全教)
書記長小畑雅子
 文部科学省からの組織的な天下り(再就職)のあっせんがあったことが明らかになるもとで、文科省は、「文部科学省における再就職等問題に係る調査報告(中間まとめ)」(以下「中間まとめ」)を2月21日に公表しました。


 「中間まとめ」では、再就職等監視委員会が違法認定した10件の他に、天下りあっせん関連事案17件を確認したことを明らかにしました。合わせて27件にのぼる天下りあっせん事案のうち16件には、前川喜平前事務次官や人事課職員ら16人が関与し、文科省ぐるみの組織的なものであったことも明らかになっています。文科行政をゆがめ、国民の信頼を裏切った行為は、断じて許されるものではありません。


 今回の天下り問題の背景には、第1次安倍内閣のもとですすめられた、天下りの自由化があります。文科省に限らず、政官業の癒着を断ち切るためには、天下りそのものを禁止することが求められています。しかし、2007年に「改正」された国家公務員法では、省庁によるあっせん行為や在職中の求職活動などに限って禁止をした上で、天下りを自由化してきました。今回明らかになった例は、明白な国家公務員法違反にあたるものですが、例えば現職のあっせんは駄目だが、OBによるあっせんならよいなどの抜け穴が用意されてきたのです。


 また、今回明らかになった天下り先の多くが大学でした。そこには、文科行政主導による文科官僚と大学の癒着の問題が見えてきます。2013年6月に閣議決定された「スーパーグローバル大学」構想に見られるように、財界の言うままに、「グローバル人材の育成」とそのための「大学改革」を、政治の力と補助金の誘導で大学に押し付けようとする安倍政権の大学政策が根本にあると言わざるを得ません。


 2月14日に示された次期学習指導要領(案)は、学校教育を通じてグローバル人材の育成、 「愛国心」の押しつけなど国や財界への奉仕者を育成することをめざすものとなっています。こうした歪んだ教育政策の延長線上に、今回の天下り問題が起きたと言えます。


 全教は、天下りの禁止、憲法と子どもの権利条約にもとづく教育政策への抜本的な転換を強く求めるものです。

nice!(0)  コメント(0) 

全教が、校内人事介入問題などで文科省に要請 [全教の活動]

【全教が文科省に要請】2014/7/25
14.8.15田舎の風景①.jpg
◆校内人事の決定・職員会議の規約等の点検・調査の中止などを文科省に申し入れ

 全教は7月25日、
「校内人事の決定及び職員会議に係る学校内の規程等の状況について」の通知撤回、
またベネッセによる個人情報流出にかかわって「全国一斉学テの中止と民間委託の禁止」、
参議院予算委員会おける下村文科大臣の政治介入発言撤回
を求めて、文科省に申し入れを行いました。


 今回の申し入れは、全教今谷賢二書記長、土方功総務財政局長が行い、文科省からは斉藤健一企画課調査係長が対応しました。


 文科省は6月27日初中局長通知で、校内人事や職員会議に係って「通知・通達に反する規程や慣行の存在について点検・調査」をし、存在すれば速やかに「廃止か修正する」よう指導し、その状況を報告するよう求めています。さらに、「規程や慣行の有無にかかわらず」校内人事の決定や職員会議の運用について確認することを求めています。
 そもそも校内人事においては、日常的に子どもたちと直接接している教職員の声をいかした人事配置こそ必要であり、職員会議も職場の合意形成のために自由な論議が保障されなければなりません。
 今回の通知は上意下達の学校運営を徹底するだけでなく、校長の裁量権も侵すものであることを強く申し入れました。


 また、ベネッセホールディングスにおいて顧客の個人情報が多量に外部流出したことに関して、全国一斉学力テストを委託している私企業であることを踏まえ、個人情報保護の観点からも全国一斉学力テストを中止すること、さらに今回の事態を重視して必要な措置を行うよう求めました。


 7月15日、参議院予算委員会の集団的自衛権にかかる閉会中審査で、自民党島尻安井子議員が「集団的自衛権について学校現場で間違った、あるいは子どもたちが誤解する表現で授業が行われている」と質問しました。これに対して下村文科大臣は「詳細がわからない」としながら「不適切な事案であれば教育委員会等を通じて指導し、学習指導要領に基づく適切な教育が行われるようとりくむ」と答弁しました。
 そもそも事実も確認されていない質問に対し、「不適切」として文科省としての指導まで言及するなど、学校の授業で集団的自衛権を取り上げることさえ萎縮させ、子どもたちが自由に考え、議論することを妨げることになると、答弁の撤回を強く要請しました。
nice!(0)  コメント(0) 

戦争をする国にさせない!地教行法改悪反対! [全教の活動]

【談話】地方教育行政の組織及び運営に関する法律「改正」案の衆議院文部科学委員会での採決強行にあたって

14.5.16国会前地教行法改悪反対②.jpg
子どもたちを際限のない競争に追いやり、「戦争する国」の人材づくりをすすめる
地方教育行政法の採決強行に満身の怒りをこめて抗議する


2014 年5 月16 日
全日本教職員組合(全教)
書記長 今谷 賢二
1.与党は、本日15 時すぎ、衆議院文部科学委員会において、地方教育行政の組織及び運営に関す
る法律(以下、地方教育行政法)「改正」案の採決を強行し、自民、公明、生活の賛成で可決しました。可決された「改正」案は、国や首長による教育への政治支配を強化し、子どもたちを際限のない競争に追いやり、「戦争する国」の人材づくりをすすめるものであり、採択強行に満身の怒りを込めて抗議するものです。


2.この間の法案審議を通じて、この「改正」案の問題点がいっそう明らかとなりました。それは、
第1 に、政府が今回の「改正」案の根拠としてきた「教育委員会が形骸化している」「責任の所在が
不明確」について、審議を通じてそもそも成り立たない議論であることが明らかとなりました。委
員会で意見陳述した参考人の多くが教育委員会の現状やそれぞれの努力について言及し、下村文科
大臣自らが「多くの教育委員会が現行の制度でうまくいっている」と答弁せざるを得ませんでした。
さらに、「責任の所在が、今回の『改正』で変化はあるのか」と問われた下村文科大臣は、「これまでと変わらない」と答弁しています。「改正案」の前提が崩れてしまったのです。


3.第2 に、首長による政治介入の危険性がこれまで以上に強まり、しかもその内容は時の政権の意
向が色濃く反映することが明らかにされました。首長の権限とされた「大綱」の策定や新たに設置
される総合教育会議において、学校の設置や統廃合、教科書、人事など教育委員会の権限に属する
こともその対象であり、教育課程や教育内容についても「(議論することを)妨げるものでない」と答弁されています。教育の自主性を侵し、教育に対する不当な支配を合理化する危険性は、ますます強まったと言わなければなりません。


4.第3 に、国による教育への介入や統制がいっそう強化されることが明らかとなりました。首長が
定める「大綱」は、国の教育振興基本計画を「参酌」して策定することとされ、しかも、すべての
自治体での策定義務を課しています。下村文科大臣は、こうしたしくみをつくることによって、「土曜授業が加速度的にすすむ」と答弁し、政府や首長の思惑を教育に押しつけ、教育を政治利用することを隠そうともしませんでした。


5.安倍内閣は、秘密保護法や集団的自衛権行使容認への暴走、介護・医療の大改悪、地方公務員への評価制度の押しつけなどをすすめ「戦争する国づくり」「世界で一番企業が活動しやすい国づくり」をすすめています。今回の「改正」は、こうした国づくりを担う「人材」の育成をすすめるために教育そのものへの支配を強めようとするものです。戦後、子どもたちの人格形成に関わる教育を、政治家が政治目的のために支配し、利用することができないように、教育委員会は国からも首長からも独立した制度として確立されました。こうした理念を投げ捨てる今回の「改正」案は、廃案にするしかありません。


6.全国の父母・国民、教職員のみなさん。全教は、あらためて、教育を政治利用しようとする地方教育行政法の「改正」に反対することを表明するとともに、共同のとりくみを強化し、廃案に向け署名、宣伝、懇談などを広げることを呼びかけます。全教は、子どもの成長と発達に心を寄せるすべての人の知恵と力を集めて、「改正案」の廃案をめざす運動をすすめる決意です。


以 上
nice!(0)  コメント(0) 
前の10件 | - 全教の活動 ブログトップ