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2つの報道から 教職員の精神疾患 [教職員の労働安全衛生]

精神疾患の休職教員、過去最多の4995人!

 標題は昨年12月末の新聞の見出しです。以下はその記事です。

「鬱(うつ)病などの精神疾患で平成19年度に休職した全国の公立学校の教員は、前年度より320人増の4995人にのぼり、15年連続で過去最多を更新したことが25日、文部科学省のまとめでわかった。文科省では『子供や保護者との人間関係で自信を失い、ストレスをため込んでいる』と分析している。」(中略)「19年度1年間で病気休職した教員は、全教員の0・88%の8069人。このうち、鬱病やパニック障害、統合失調症といった精神疾患を理由に休職した教員が、病気休職者全体で占める割合は61・9%と前年に引き続き6割を超えた。精神疾患による休職者の内訳は、小学校教員が2118人(42・4%)、中学校で1516人(30・4%)と全体を7割を超えた。年代別では、40代1872人(37・5%)、50代以上1756人(35・2%)と中高年の教員に多くみられた。」(産経新聞)

 この報道で思い出されるのが、尾崎裁判の控訴審で尾崎さん側が『教職員の職場環境自体がうつ病等精神疾患を多発させる厳しさがある」と主張したのに対しての地方公務員災害補償基金(「基金」)の『反論」です。

「(讀賣新聞の記事を引用して)全国の公立小中高の教員92万1600人のうち、平成16年度の病気休職者は過去最多の6308人であり、このうち56.4パーセント(3558人)がうつ病などの精神疾患であるというのが正確な事実である。これによれば、全国の公立小中高の教員92万1600人のうち、平成16年度にうつ病などの精神疾患で休職した者は、わずか0.39パーセント(3558人÷92万1600人)に過ぎない」から「教員の仕事が精神疾患を発症しやすい過重な公務であるとは言えない。」というのが「基金」の主張でした。

 今回の発表でも「基金」はまだ平成19年度小中高教員91万6441人の内の4995人なのだから、「わずか0.55パーセントに過ぎない」と言うのでしょう。

 しかし、事の重大さに対する「基金」の認識不足(意図的な)は、次の報道でも明らかです。

 昨年10月29日「日経ビジネス オンライン・アソシエ」が次のように伝えています。
 「教員のメンタルヘルス対策、十分に取り組んでいるのは『1%未満』」という見出しで、記事本文はこうです。
「健康情報サービス事業を手掛けるウェルリンクと東京都教職員互助会が(文科省の委託で)共同で、全国の教育委員会に対して実施した教員のメンタルヘルスに関する調査によると、『教員のためのメンタルヘルス対策は必要か?』との質問に『必要である』と答えた教員は78.6%。『まあ必要である』と答えた19.9%を合わせると、98.5%の教員がメンタルヘルス対策の必要性を認識していることが分かった。 一方で『教員のためのメンタルヘルス対策は十分に取り組んでいるか?』との質問では、『十分に取り組んでいる』と答えたのはわずかに0.8%。必要性を感じながら十分でない現状も明らかになった。『普段の仕事でどの程度身体が疲れますか』との質問には、『とても疲れる』と回答した教員が44.9%に及んだ。一般のビジネスパーソンに対して厚生労働省が2002年に実施した調査では、同じ質問で『とても疲れる』と答えた人は14.1%だった。その差は約3倍である。さらに、現状のままでは教員の不調者が増加すると答えた教員も7割いて、それが子供たちにも影響を与えると考える教員も7割以上に及んだ。いかに教員が過酷な労働と精神的負担を強いられているか、これらの結果からうかがえる。」

学校職場に正規教職員増、業務量軽減などの措置を急ぐよう県教委・市教委に要求していきたいと思います。
 職場でも、昨年1/31文科省通知等を見せながら、是非校長に迫ってみてください。
 管理職の姿勢や意識改革だけでも一定の改善はできるように思います。   
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