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10/19静岡県人事委員会勧告と報告 [県人事委員会要請行動]

全教静岡ニュース
N01204 2012年10月23日 発 行=全静岡教職員組合

県人事委員会勧告と報告
高齢層の昇給昇格制度の見直しに言及

静岡県人事委員会は10月19日、知事と議会に対して県職員の給与等の勧告と報告を提出しました。主な内容は以下の通りです。

(1)民間給与(387.649円)を上回る較差は「▲0.02%(▲69 円)」で微少であり改定せず。特別給(ボーナス)についても、民間の支給割合は3.95月であり、据え置く。

(2)50歳代後半層における民間との給与差はさらに広がり、27,597円となった。「現給保障」を廃止しても相当額上回る。給与差を縮小する方向で昇給・昇格制度について検討する必要がある。

(3)勤務条件等に関する諸課題として次の3点に関して言及した。
1)仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進 
2)メンタルヘルス対策の必要性 
3)定年延長に向けた制度の見直しの必要性

【解説と補足】
 何より、大多数の教育職を、主要な公民比較の対象にしていないことに憤りを感じます。
 静岡県の公務員のうち、44.4%が小中学校、17.5%が高校・特別支援学校です。あわせて61.9%にもなる「教育職」について、行政職にひっくるめて比較調査することは妥当とは思えません。職務も給料表も、時間外手当のあるなしなど、全く違う職種です。医療職を特別扱いするのですから、当然教育職も、別枠扱いするべきです。

さて、本県の給与水準について、「平均給料月額によるラスパイレス指数は国を100とした場合に103.4と全国1位となっているが、諸手当を入れた平均給与月額については全国第15位である」としています。ラスパイレス指数で高すぎるとの悪宣伝に対して、妥当な説明だと思います。


 年齢層別に見ると、30歳台までは民間給与が公務を上回るが、50歳台では公務が民間を大きく上回る。」としています。県教委が現給保障廃止に向け具体的な行動に出るか警戒が必要です。
 そもそも、「公務と民間では、昇進管理等の人事運用に相違もあることから年齢層別の給与差が一定程度生じることはやむを得ない面もあるものの」と、人事委員会自ら認めているように、50才代の公務員と民間会社員を、「役職段階、年齢、学歴」で機械的に比べることは無理があります。
 にもかかわらず、機械的に公民の「世代間の給与配分を適正化」しようとすることは、許されません。とりわけ、県職員の6割を占める教育職との比較は、単純ではないはずです。


□ ワーク・ライフ・バランスについて、「①その意義 ②支援制度の活用が低い実態 ③総勤務時間の短縮の必要」を述べています。
 最後に、「教育職員の多忙化」について次のように言及しています。「依然として改善が見られない。教育委員会においては、多忙化の原因を検証し、業務内容の見直しや不要な業務の廃止に努めるなど、実効性のある取組が必要」。定数改善などには言及できませんでした。
 これでは、個人の意識の問題だけになってしまいそうです。


□ メンタルヘルスでは、「パワハラやセクハラが背景にあることを認識し、ハラスメントのない職場環境をつくる必要」を強調しています。これは、新たに強調した視点ですが、メンタルヘルスの主たる原因である評価制度や構造的問題には触れていません。
 一昨年の勧告・報告で、「メンタルヘルス」の文面を落としました。そのことについての反省の弁は、全くありませんでした。勧告・報告の意義を理解していないとしか思えません。深刻に捉えているとは思われません。
 また、これでは、県や県教委も具体的な対策には、乗り出せないでしょう。

□ 高齢期における職員の雇用問題では、「国や他の地方公共団体の動向を注視しながら、必要な課題について検討する必要」として国の制度待ちの姿勢です。
本年度の再任用の実数を資料として掲載してあり、見ると、小中の義務制の再任用比率が極めて低いことがわかります。
フルタイムはたったの28人!ハーフタイムが26人です。
 合わせて54人/1万5千人。
 今でも、再任用のためのポストはありません。新採抑制なったり、今までお世話になっている臨時講師の就職口を少なくしたりするようでは、許されません。
 因みに行政職は、179人/5千人。母数が大きく異なることがわかります。


□ 勧告・報告の中では、臨時・非常勤の職員についての言及は、全くありませんでした。仕事として「臨時」でない職員が2割3割と存在するのに、そのことに対して言及がない(注;下記の「口頭伝達」に触れるのみ。)というのは、県・県教委への勧告権を持つ県人事委員会として、無責任の極みと言えるのではないでしょうか。
 どうするつもり!?

教育長への口頭伝達事項
(これは組合からの主な要求をまとめ、そのまま教育長に伝えたものであり、人事委員会が勧告したものではありません。)
1) 教職員の長時間過密勤務の実態は、量的にも質的にも限界であり深刻だ。解消のため実効性のある措置を講じてほしい。
2) 育児休業の取得、短時間勤務制度の利用や介護休暇の取得できるよう管理職員の意識改革をはじめ職場環境の整備をお願いしたい。
3) 教職員の精神疾患、病気休暇の増加、労働安全衛生体制の確立や相談窓口の充実等のメンタルヘルス対策を講じてほしい。
4) 評価制度と賃金への反映に反対である。行うに当たっては組合との十分な話し合いをしてほしい。
5) 定年後に働くのは体力、精神力的にも厳しい。制度設計に当たっては組合との十分な話し合いをしてほしい。
6) 臨時教職員が正規と同様の職務を求められている。処遇を改善してほしい。


■ 全教静岡・静岡市教組は、県人事委員会の勧告の問題・限界などを踏まえ、教育現場の特質に則った県教委との交渉をすすめていきます。
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