SSブログ

2010静岡県人事委員会勧告に全教静岡が声明!後退した勧告 [全教静岡]


静岡県人事委貝会2010年勧告に対する声明 -

                               2010年10月7日  

                                 全静岡教職員組合

後退した勧告内容

とまらない削減の流れ

「メンタルヘルス対策」が消えた!!     

1 どこに消えた 「生計費原則」

  私たちの給与は、下がる一方です。昨年度の引き下げで底をついたかと思えば、人事委員会は本年度さらにマイナスの勧告をしました。

 人事委員会は「静岡県の民間の状況は、全国と比較してよくない」ことが背景にあると説明しました。しかしながら、要はどのような調査をしたかにかかっています。「公務員総人件費抑制」ラインに沿って、中小の民間企業の低い賃金実態を公務職場により反映させることを使命として取り組んできたことに加え、民主党政権の公務員総人件費2割削減にも配慮した勧告であることは十分に想像できます。「人事委員会はどこの(勢力)にもくみせず、中立の職務を全うするだけ」(課長)の発言が空々しいと言わざるを得ません。

私たちが生活するための費用がいくらあったらいいのかが何より重要な条件(生計費原則)はどこかへ消えてしまっています。

 完全に悪魔のサイクル『民間が下がる→公務を下げる→さらに公務を参考に民間が下げる→公務を下げる→・・・』に陥っています。

2  その上、教員については、来年1月、さらに引き下げられる

 ○義務教育教員等特別手当が、0.7%マイナス(月額平均2500円超)

 ○特別支援教育に携わっている教員の給料の調整額をさらに1/4マイナス(月額平均4000円超) 教員の現給与はその専門性にも勤務実態にも合っていません。「教員は優遇されている」などとはとても言えないはずです。昨年の勧告に関して人事委員会は、「メリハリのある給与体系の実現が進められていることを述べただけで、賛成とか何とか言っているわけではない」と弁明しました。そして本年度、【教員の給与】という文言を消しました。

 「教職員の実態と専門性に見合う給与、手当の改善・創設」に全く触れられない人事委員会は、県職員の約60%をも占める教育関係職員に何ら応える機関になっていません。

3  持ち家に係る住居手当(4500円)、たった1年で存続を廃止は許せない

 09勧告では「・民間の7割に手当が支給されている ・県職の異動実態や公舎等の整備状況、居住実態等が国とは異なるので据え置く」「来年度以降、他の地方自治体の動向、民間の支給状況、職員の居住実態等を踏まえて検討していく」と述べています。ところが本年度は、一変して「他県の多くも廃止や引き下げをしているし、そもそも、県と同じ支給理由【住宅に係る費用の補助】を示している事業所は少ないから廃止することとする。」と勧告しました。

 しかし、民間でも6割弱の事業所が自宅手当を支給しています。県職員にあってはの7割超がこの手当を受給しています。こうした事実を全く無視し、まさに結論を導くために出してきたこじつけ、暴挙です。今日のように連続して給与が大きく引き下げられている中、月額4500円(年額54000円)の住宅手当の廃止は、生活の厳しさにさらに追い打ちをかけるものです。

 政治的圧力等に屈服し、たった1年で尻尾をまいてしまった県人事委員会です。

4 時間外勤務の縮減とメンタルヘルス対策が消えた!

 学校現場における教職員の長時間過密労働に対する改善施策はまったく進んでいません。「教員には時間外が存在しないのに、時間外の縮減とはどういうことだ!」これが正しい主張です。

 長時間過密労働改善に向け、人事委員会なりに、何年もかけて勧告の内容を高めてきました。人事委員会の良心と言ってもよいのかもしれません。(「静岡県人事委員会勧告・報告」に「メンタルヘルス」という言葉が載ったのは2002年(平成14年)からである。その後、2003年(平成15年)には「メンタルヘルス対策」という言い方を、2004年(平成16年)には、「職員の健康保持及び福祉の増進は、身体面のみならず精神面においてもますます重要な課題」とし、2005年(平成17年)では、「メンタルヘルス対策をはじめとする職員の健康管理などの労働安全衛生体制の取組みを一層積極的に推進」するよう求めていた。2006年(平成18年)には、「改めて職場全体の問題としてメンタルヘルス対策に一層真剣に取り組む必要がある」、「実態の分析が重要」として、「実効あるメンタルヘルス対策を講じていく必要」を言っていた。2007年(平成19年)では、「時間外勤務の縮減」と分けて「心の健康管理」という小見出しがついた。そして2008年(平成20年)「心の健康管理」の小見出しに(メンタルヘルス対策)と付けたのである。昨年の2009年(平成21年)では、「この問題が職員個人にとどまらず、組織全体に大きな影響を及ぼすものであるとの認識の下」という認識を訴えている。)

 ところが、本年度の勧告では、メンタルヘルスについても見事なほどにそぎ落とされています。積み上げてきたものが消えてしまいました。説明会の場で課長は「書いてなくても重要との認識」と弁明し、「勧告とはいったい何なのか」と思われる場面でした。

 また、今回「時間外勤務の縮減」という項が、9年ぶりに小見出しを外され、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進」の中に組み込まれました。

 メンタルヘルスと同様「さらに増加の傾向にある」という認識に立ちながら、今回の扱いについて到底納得できるものではありません。弱者切り捨てのこの方向への転換は、何かしらの圧力があったとしか考えられないものです。

5. 臨時的任用教職員のあり方について

 昨年、臨教について、「職設置のあり方・処遇について検討していく必要」と勧告したことは、大きな前進でした。しかし、本年度私たちの具体的な改善要求に対して、「人事委員会は2級にしろ!と言っているわけではない。また、すぐに変えろと言っているわけでもない」と逃げ腰でした。

 「教諭と同様の仕事をしているなら、正規と同様の2級とすべきである」と文科省も発言しています。一時金支給の基準日も撤廃されるべきだし、特別休暇も得られて然りであります。


6. 評価の給与ヘの反映・・・「がんばっているとかいないとかどこで判断するのか」

  「がんばっている人に報いることは当然だ」と述べる人事委員会に私たちは強く反論しました。「がんばっているとかいないとかどこで判断するのか」、「学校現場はそもそも個人だけで評価されるべきものではない」、「全国で実施されているがどれもが成功していない」「先行して実施してきた民間が見直しを求められている」等々。

 
7 「職員が高齢期の生活に不安を覚えることなく働けるように 」

全教静岡は、人事院が示した案をそのまま教員にあてはめることをしないよう申し入れました。教員の平均退職年齢は文科省調べで51.5歳です。60歳に遠く届きません。にもかかわらず、61歳、62歳と定年延長されることは教員にとって新たなマイナス条件を押し付けられることになるからです。

 

 最後に、全教静岡は、県教育委員会に対し、教職員賃金水準の確保と勤務実態の改善、諸手当の「見直し」改悪反対等、全力でたたかう決意を表明するものです。
nice!(0)  コメント(1) 

nice! 0

コメント 1

書記局

県人事委員会は、「メンタルヘルス対策」が抜けたことを、「重視していないわけではない」と言いました。県民大運動の席でも、「来年度は考える」とも。
県教委も「軽視しているわけではなく、いろいろな対策を打っている」と。
形骸化、軽視させないようにしていく必要があります。
by 書記局 (2010-10-31 18:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。